事業紹介
環境に配慮したプロダクト
2004年に竹林整備の活動を開始したときは私ひとりでした。気がつけば「自然と人の共存」という思いに共感した仲間が自然発生的に増えていき、「竹組」と名付けたチームで竹林の手入れを続けること3年。この度、2019年4月に『株式会社 竹組』を設立する運びとなりました。
今後は従来の放置竹林の整備に加えて、新たな取り組みにも力を入れていきます。
1竹炭素プロダクトの開発
間伐した竹は廃棄せずに特殊な窯を用いて竹炭素にします。竹炭素は水や空気の浄化や土壌改良材として活用されるなど、特に環境面において世界的に注目されている素材です。現在、PM2.5や放射性物質などの化学物質の除去を促す「デトックスサプリメント」などのプロダクト化に向けて、外部研究チームと連携した開発を進めています。
2食品加工
春の味覚として日本人になじみが深い「タケノコ」。竹林整備の副産物として安定的に収穫できるタケノコの食品加工業務ラインを整備予定です。さらに地方都市が今後直面する雇用問題に備えて「育児と仕事」が両立可能な雇用形態を構築するなど、地域に根付いた「ゆとりある働き方」の提案をしていければと考えています。
地域の夏祭りで竹のステージや流しそうめんのセットを組んだり、「阿蘇ROCK」や「SUNSET LIVE」などの野外フェス会場に竹でつくったジャングルジムやブランコなどを設置したり、竹組創立以前から「竹」という素材を用いた多岐にわたる活動をおこなっています。イベントで役目を終えた竹は竹炭に加工して家屋の除湿材などに再利用するなど、極力ゴミを出さない環境に配慮したプロダクトを手掛けています。
3地域興行
「阿蘇ROCK」や「SUNSET LIVE」などの野外フェス会場で、竹のジャングルジムやブランコなど子どもの遊び心をくする道具を設置したり、地域の夏祭りで竹のステージや流し素麺のセットを組んだり、ニーズに合わせて地域興行面でも積極的な活動をしています。
イベントで役目を終えた竹は焼いて竹炭にし、家屋の除湿剤として無駄なく活用しています。
環境問題への取り組み
特に近年、プラスチックの乱用による環境破壊が地球規模での深刻な問題となっています。自然に還らないプラスチックは使えば使うほどに海を汚し、山を汚し、空気を汚します。これはすべての生き物にとって非常に大きな課題と言えるでしょう。
「竹」は循環する資源として日本人の暮らしのなかで重宝されてきましたが、その役割は戦後の経済成長とともに安価で大量生産が可能なプラスチックへと置き換わりました。そして、人の手が離れて荒廃した竹林は「竹害」をもたらすようになり、いつしか“厄介者”として扱われるようになりました。
そもそも「竹害」とは何か。もとより生命力が高い竹は放置することでどんどん増殖していきます。そのため周囲の樹木はその勢いに押されて既存の自然生態系を変えてしまうのです。その結果、里山の環境が単一化をたどる懸念や、土壌保持力が低い竹林の拡大による崖崩れなどのリスクが発生してしまいます。
私たち竹組はこのような問題を抱える放置竹林を手入れすることにより、「自然と人」が共存しながら地域経済が循環する仕組みをつくっていきます。
古き時代から学び、新しい時代に生かす。
昔から変わらぬ「ひとの力」による竹林整備と、令和の時代における「新しい視点や技術」で、私たち竹組は環境問題をはじめとした多くの社会問題の解決にこれからも取り組んでいきます。